四十肩・五十肩・肩関節周囲炎について

今回は多くの方がよく耳にし、また経験される四十肩・五十肩・肩関節周囲炎について
どうしてなってしまうのか?そもそもどんなものなのか?名前の違いは?などの疑問にお答えしていきます。

目次

よく聞くけど四十肩と五十肩って何が違うの?

実はこの二つに明確な違いはありません。
しいて言うとすれば痛みがより強い方が五十肩、弱い方が四十肩なんて言われています。
そもそもこの二つは正式名称じゃないんです!というか総称が「肩関節周囲炎」といいます。
これまた漠然とした名前ですよね。なんていったって肩関節周囲になにかしら炎症が起こっているという名前ですからね。
肩関節周囲炎にもいくつか種類があります。

  • 石灰沈着型
  • 関節包の炎症型
  • 肩峰下滑液包の癒着

この様に同じような症状でも原因が違います。

石灰沈着型の肩関節周囲炎

石灰沈着型は肩腱板内に沈着したリン酸カルシウム結晶によって急性の炎症が生じることによって起こる肩の疼痛・運動制限です。
また40~50歳代の女性に多くみられるようです。特徴としては突如激しい痛みで肩を動かせなくなり、夜間痛が強く寝ようとした際に肩関節が疼いてしまい睡眠を妨げられる方が多いです。
この場合は石灰の吸収を促すステロイド注射がとても有効です。
よく「あそこの整形外科で注射打ってもらったら一発で良くなったよ」なんて言われるのはこのタイプです。
石灰沈着型の運動療法はかえって炎症を強くする場合が多いのでお勧めしません。マッサージもダメです。
まずは安静と注射による治療が一番です。
石灰が無くなってから運動療法を取り入れます。激しい痛みと夜間痛がひどい場合は一度整形外科の受診をお勧めします。

関節包の炎症型の肩関節周囲炎

関節包の炎症型は何かしら肩関節に負荷をかけたことにより関節包に炎症が生じることによって起こる肩の疼痛・運動制限です。
また中年以降、特に50歳代に多くみられ、その病態は多彩です。
徐々に痛みが増していくことが多いです。急性期は無理して動かさずに安静にします。
炎症が落ち着き次第運動療法に移行します。ここで痛いからと言って動かさずにいると筋力低下と肩峰下滑液包の癒着を起こしてしまうことが多いです。
目安としては自発痛(何もしなくても痛みがある状態)を抜けたら開始します。遅くなればなるほど寛解に時間がかかります。

肩峰下滑液包の癒着型の肩関節周囲炎

関節包の炎症型が悪化し、肩峰下滑液包の癒着が生じることによって起こる肩の疼痛・運動制限です。
ここまで進行してしまうと「拘縮または凍結肩」と呼ばれます。
肩関節が固まってしまい動かせなくなっている状態です。
時間をかけて少しずつ運動療法を取り入れていきます。

その他にも肩関節の痛みの原因はある

上記以外にも「腱板損傷」や「腱板断裂」「上腕二頭筋腱炎」などもあります。
これからは検査によりテスト法を行うことで鑑別することができます。
肩が痛くて上げられない場合で、実は筋腱の損傷も伴っている場合もありますので軽視するのは危険です。
腱板断裂を起こしてしまった場合は手術適用になってしまいます。

肩関節周囲炎の原因について

加齢による筋腱の変性や日々の負荷による炎症によって引き起こされます。
徐々に進行していく場合もあるので早期に施術を開始することをお勧めします。
期間が長ければ長いほど筋肉の拘縮が増強するので可動域を取り戻すのに時間がかかります。
また長年痛みが継続しているものや、運動をすると悪化してしまう場合は筋力低下を伴っていることが多いのでリハビリを行わないと寛解することは難しくなっていきます。

当院の施術について

当院では症状の聞き取りや検査により状態をしっかりと把握してから施術を行います。
施術期間の目安としては早い人であれば一ヶ月~三ヶ月ほどで寛解しますが、症状が現れて長い方はその期間の半分くらいを想定して頂けるといいかと思います。
鍼灸施術と並行してリハビリや正しい肩関節の使い方の指導を行い、症状寛解を目指します。
症状によっては整形外科をご紹介する場合もありますのでご了承ください。

当院では施術は勿論ですが、根本回復を目標とし、リハビリやご自身での日々のケアの指導、施術以外の面にも力を入れております。
肩関節周囲炎で長年お困りの方、ぜひ横浜市鶴見区にある鍼灸院 鍼処経灸堂で一緒に二人三脚で症状に向き合ってみませんか?

鍼処経灸堂 院長 藤田和喜