『経絡治療』津液(しんえき)とは?

経絡治療ではあらゆる病気は精気の虚から始まるとされています。
そして何かしらの病因が加わることによって『気』『血』『津液』に変化を及ぼします。
今回は『津液』について書いていこうと思います。

目次

津液(しんえき)とは

津液(しんえき)とは体内の水分の総称です。
また津液は陽的な働きの『津』と陰的な働きの『液』に分けられます。
陽的な働きは汗をかいて体温調整をする作用、陰的な働きは関節などで骨の動きを滑らかにする作用です。
この津液が全身を上手く巡っていることにより身体は円滑に動くことができるのです。

また津液は血(けつ)にも含まれていますので身体がオーバーヒートしないようにするラジエーターの働きも行っています。
よって津液が減ってしまうと余計な熱が発生し、身体中に悪さをするようになっていきます。
この熱が上に昇っていくと高血圧や動悸、そして関節の節々も動きが悪くなってきてしまいますね。
そしてこの津液が足りないだけでなく停滞することによっても症状は発生します。

津液が停滞してしまうとどうなるの?

上記で記載したように、津液が停滞することによって様々な病証を現します。
湿度が高くなり悪化するもの、または余分な津液が停滞することによって一定の病理状態を表す病気に『湿病』『痰飲病』『水気病』の3つがあります。
これは津液が多くなっている場所や現れている病証によって名称が変わるのです。

『湿病』とは、肌肉や関節に水が多くなって腫れ痛む病気のことを指します。
これは元々水の多い人が風に当たり過ぎたり(風邪)、身体を冷やし過ぎたり(寒邪)によって引き起こされます。
『痰飲病』とは、胃腸を中心とした内に水が多くなって症状が現れていることを指します。
飲食によるものが主となります。胃腸に水が多いので涎(よだれ)が多くなり、咳、めまい、短気、嘔吐などを起こします。
『水気病』とは、気の循環や発散が悪いために、皮毛(皮膚表面)の部分に水が多くなって症状が現れていることを指します。
また暑がりで寒がりになり浮腫、関節痛などを起こします。

津液の停滞を防ぐにはどうすればいい?

ではその停滞を防ぐにはどうしたらいいのか?
それは身体を冷やさない事、そして『冷たい飲み物』をなるべく避ける事です!
できる限り温かい物常温の物にする事を心掛けましょう。
冷える事により動きが悪くなるため津液の停滞が起こってしまうのです。
冷えは全ての病の天敵ですので身体を冷やさないようにしましょう!

身体を冷やさないようにして快適な生活を手に入れましょう

日常生活で身体を冷やさないようにし、飲食でもなるべく冷たい物は避けましょう。
これには日々の生活の仕方がとても重要になってきます。
上記のような悪い生活リズムで身体を冷やして過ごすことによって負のループが発生してしまい、悩まれている方が多くいらっしゃいます。
これらを改善し、津液の停滞をなくし快適な生活を手に入れましょう。

どうしてもご自身だけの力で解決ができない場合は当院でお力になれるかもしれません。
当院ではしっかりとした聞き取りや検査により原因を追究し、施術を行います。また根本回復を目標とし、リハビリやご自身での日々のケアの指導、施術以外の面にも力を入れております。
疲れ目や身体の痛み、不妊症、睡眠障害など様々な症状で長年お困りの方、ぜひ横浜市鶴見区にある鍼灸院 鍼処経灸堂で一緒に二人三脚で症状に向き合い、快適な生活を送りませんか?

鍼処経灸堂 院長 藤田和喜

参考書籍 日本鍼灸医学 経絡治療学会編纂
     図解よくわかる経絡治療講義 大上勝行