証を決める為の四診とは

四診(ししん)とは「望診(ぼうしん)」「聞診(ぶんしん)」「問診(もんしん)」「切診(せっしん)」の四つの事です。
これらを使い、得た情報から証を把握して施術に入ります。

望診(ぼうしん)

望診とは神気(光沢)、形態、五色、身体各部位など、少し離れたところから観察をして証を判断する方法です。

  •  神気…元気な人ほど神気が多く、体調が悪い人ほど少ないです。
  •  状態…元気な人ほど身体の調子が良く、姿勢も良いです。体調が悪い人は姿勢も悪くなりがちです。
  •  五色…顔色を指します。元気な人は肌に潤いや艶があります。体調が悪くなると顔色も悪くなります。
  •  身体各部位…目や口唇、鼻や耳や体毛などでその人の体質がわかります。

聞診(ぶんしん)

聞診とは、声の状態や体臭などから証を判断する方法です。

声の状態…健康な人は発声が自然で滑らか、音調にも艶がありのびやかです。

  • 実証体質の人は、声が大きく、重く、濁っています。
  • 虚証体質の人は、声が小さく、軽く、清んでいます。

体臭…体臭は陽気が外に出るときに溢れ出るものなので熱証に多いです。

  • 臊臭(肝)=あぶらくさい
    • 体臭が脂肪のように生臭いと肝虚証、肝実証です。
  • 焦臭(心)=こげくさい
    • 体臭が焦げ臭いときは心熱が多いです。
  • 香臭(脾)=かんばしい
    • 体臭が甘酸っぱいようだと脾虚証です。
  • 腥臭(肺)=なまぐさい
    • 体臭が生臭いと肺熱があります。
  • 腐臭(腎)=くされくさい
    • 体臭が腐ったような臭いがするときは腎虚熱証です。

問診(もんしん)

問診とは患者さんが訴える一番つらい症状(主訴)やその原因などを本人に直接尋ねて証を判断する方法です。

 年齢、職業…年齢や職業を聞くことによって主訴や現病歴の発症や原因、養生の説明に繋がります。
 主訴…患者さんが訴える最も苦しい病症です。

  • 病位(場所)…どこが痛いのか
  • いつから(病の新旧)…いつからその症状が出ているのか
  • どのように(病症が悪化する条件)…どうすると症状が現れるのか
  • どうして(病因)…発病のきっかけ

 既往歴…過去に大きな病気、手術などしたことがあるか
 家族歴…家族の中に同じような病症、または病歴があるか

切診

切診とは患者さんに触れて証を判断する方法です。

  • 触診…経絡上、およびその周辺を触って圧痛、抵抗、硬結、陥下、膨隆、湿燥、寒熱の反応をみて証決定の参考にします。
  • 腹診…胸から腹部全体を触って湿燥、寒熱、抵抗、陥下、膨隆、圧痛、硬結、動悸の有無をみて証決定の参考にします。
  • 背診…背部の兪穴を中心に現れる陥下、膨隆、硬結、圧痛、寒熱などをみて、診断部位や治療部位の参考にします。
  • 切経(経絡触診)…手足の経絡を流注に沿って触り、寒熱、湿燥、陥下、膨隆、硬結、圧痛の状態をみて証決定の参考にします。
  • 脈診…手首の橈骨動脈を触り、拍動の強弱や打ち方、大きさなどから身体の状態を把握し証を決めます。

鍼処経灸堂 院長 藤田和喜

用語集

五色…青、赤、黄、白、黒の五色。それぞれが五臓に別けられている。
実証体質…体力があり疲れにくい人。
虚証体質…すぐ疲れてしまったり体調を崩しやすい人。
陽気…熱性で動的な気。上昇しやすい性質をもつ。
熱証…陰がなくなることによって冷やす力が衰え熱が出ている状態のもの。

参考書籍 日本鍼灸医学 経絡治療学会編纂

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