経絡治療とは

経絡治療とは

経絡治療とは『全ての疾病を経絡の虚実状態として把握し、それを主に鍼灸を用いて補瀉し、治癒に導く伝統医術である』と定義されています。
四診により得られた情報から導き出すものを「証」をいい、得られた情報を元に陰陽論や五行説、気の概念などの伝統的思想を持って病のメカニズムを明らかにし施術を行います。
つまり『全ての病は五臓の精気の虚(弱くなる事)から始まる』と考えられ、そこに何かしらの原因(病因)が加わることによって症状が現れる。
よって健康な人(精気が充実している人)は病気にならないということです。
経絡治療はそのなかでも『経絡』『虚実』いうものに着目し、それらに対して『補寫』を行うことにより精気の虚を補って身体のバランスを調整をし、本来の力を取り戻す治療なのです。
これにより幅広い疾病に対応することができるのです。

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経絡治療の始まり

経絡治療とは昭和初期に柳谷素霊先生の『古典に還れ』の号令の下に『素問』『霊枢』『難経』という古典を基礎として理論体系化されたものです。
そして数々の先生方が3000年以上も前の古典医学のエッセンスを現代流に取り入れ、活かし発展させてきました。
現在はシンプル化され下記の3つが経絡治療の基礎となっています。

  • 六部定位脈診(脈を診ることによって問題のある経絡を特定)
  • 難経六十九難(病症に合わせた選穴による補寫)
  • 浅刺置鍼  (浅く刺して鍼を留める)

これに難経六十八難や難経七十五難などを加えて施術を行っています。

古典医学とは

古典医学とは陰陽虚実などの東洋思想独特の概念を物差しとして、人の身体や病気を見る医学です。
その人が持っている元気の量と身体のバランスをみることで健康状態を推し量ります。
元気の量=その人の体力と表現するとわかりやすいかと思います。
体力がある人は病気にもなりにくいですし、治りも比較的早いです。
逆に体力のない人は病気がちで治りも遅く時間がかかります。
この体力は生まれつき持っているものや、長年の習慣の体質的なものに由来するのちょっとやそっとでは増やすことはできません。
また古典医学では健康な状態を陰陽のバランスがとれている状態であると捉え、そのバランスが崩れた状態を病気としています。
そのアンバランスを是正するのが治療なのです。

古典医学と西洋医学

西洋医学にはここから病気というラインが明確にあるのですが、身体のバランスをみる古典医学では少しでもバランスが崩れたら病気であるとみなします。
よって病院では症状があっても検査で数値的に問題ないと言われるようなもの対しても、鍼灸ではバランスを整えるという治療原則に従うことにより対応することができます。

鍼処経灸堂 院長 藤田和喜

参考書籍 日本鍼灸医学 経絡治療学会編纂
     図解よくわかる経絡治療講義 大上勝行